愛情でチームの
味のバランスをとる
作りびと
ヘッドマネージャー
柳田 梨絵
しゅみ:猫、寝ること、おいしいものを食べること
とくい:セレクトすること、料理
にがて:整理整頓
人生は上々だについて
>>>設立当初から、
コアメンバーとして会社を支える
私はスクルト(人生は上々だ旧社名)設立当初から関わりがあるのですが、この業界に入る前は関西で働いていました。飲食やアパレルなど様々なサービス業を経験したのち、香川県にUターン。
その後、当時フリーランスでデザイナーをしていたモリロウさんと、営業のYさん、私の3人で株式会社スクルトというデザイン会社を立ち上げました。(2020年に「人生は上々だ」という変な名前に変更したのですが、前の名前も変でけっこう気に入ってました。)最初は人も物も、本当に何もなかったので、事務所も自分たちでDIYして改装したりしていました。いやー楽しかったなあ。いい思い出です。
>>>セオリーはフル無視。
見切り発車が通常運転
そんな感じだったので、仕事についてもとにかく自己流でしたね。会社を立ち上げた当時は誰もブランディングなんてやっていなくて、前例がないことを切り開いて進んできたので業界のセオリーは最初から無視してました。だから人生は上々だ(※以下「上々」と記載)は「普通こうだから、こう」みたいな筋道を持っていない。でも、これは強みだと思っています。周りから「変わってるね」と言われるところでもあるんですが、本質を見て必要なアプローチをしていったら自ずと「他と違う」ということになっていっただけです。ここはこれからも「私たちらしい」でやっていきたい部分ですね。
あと、変わっているところで言うと、基本的に見切り発車というか…(笑)。普通はちゃんと計画して、見通しが立ってから稟議を通して、ってなるんでしょうけど、面白いことは誰よりも早くやりたいのでフライングしがちです。「こうだ」と決めすぎるとそれ以上のものにならないから、余白を残してまずはやってみる。やりながら形にしていく。「チャレンジジャンキー」と言われたこともありました。うまいこと言うなあと思います。
>>>「良くなること」のために
仕事をすること
上々で働く上での魅力は、まず「面白い仕事ができること」があると思います。「面白い」の解釈は人それぞれだけど…とにかく仕事に幅がある。本当に色んな業界のクライアントがいて、お悩みもみなさんそれぞれなので。それを「デザイン」という括りの中で制作物や企画、イベントなど、あらゆる方法で解決していくという感じです。だからものすごく自由度が高い。創業当時からずっと「何屋さんかわからん」状態で走り続けて、今でも変わらずそうです。
それから、クリエイティブに真摯に向き合っていること。デザイン制作の中で、世に出るのは完成したデザインだけですが、それは全体のたった1%程度なんです。でも、世に出ない残りの99%をきっちりやる。それがあってこそのアウトプットだと思うので、人から見えない99%を徹底的にやる上々のスタンスはかっこいいなと思います。
そしてなにより、「良くなること」を目的に仕事をしていること。そのために失敗を恐れず、果敢にチャレンジし続けていること。今や上々の核となる精神ですが、これが最大の魅力だと思います。仕事=アイデンティティな人や、成長したい人、プライドを持って仕事をしたい人にとってはきっと楽しい会社です(逆にそうじゃない人には結構ハードかも)。
お仕事について
>>>マネージャーのお仕事
マネージャーの仕事は、ざっくり言うと「デザイン以外のすべての業務」です。クライアントの窓口になって案件の予算を管理したり、進行を管理したり。また、それに基づくデザイナーのタスクの進捗管理やサポート、しかるべきタイミングでの必要なものの手配などなど…要は段取りですね。プロジェクトマネージャー・アカウントマネージャー・クリエイティブマネージャーと3種類の役割を兼任するので、上々のマネージャーはちょっと特殊かもしれません。
「デザイン」という商品を売るためにはなんでもやります!という感じなので、時には営業活動をしたり、コピーを考えたり、イラストを描いたり、モデルをしたり、「管理」以外の仕事もします。
あと、私の場合はヘッドマネージャーという立場なので、全体を俯瞰で見て、かなり多いですが社内の案件はすべて目を通して理解するように努めています。
>>>「誰にでもできる」がゆえに、
人間力が鍵になる
マネージャーの仕事は、クリエイターと違い専門スキルは不要。「誰にでもできること」なんですが、だからこそ難しいというか…奥が深いです。
基本スタンスとしてマネージャーはデザイナーの「最大の理解者」であり、「絶対的な味方」ですが、クライアントがいる以上デザインは商品。お客様に満足してもらわないといけないので、デザイナーにも言うことは言わないといけません。
軸足はクリエイティブにありつつ、クライアントの希望を叶える。主導権を握りながら、その丁度いい塩梅を探って舵取りをしていくのがマネージャーの腕の見せ所であり、難しいところですね。
>>>クリエイティブチームの「屋台骨」である
また、タイトなスケジュールかつ、複数の案件を同時進行するので、デザイナーのタスクを考慮してスケジュールを切ってあげることも必要です。それから、案件をスムーズに進めていくためには受け持つ案件のことをすべて理解したうえで落としどころを見極めたり、クライアントと交渉する能力も必要。そもそも、クラアントも含む周りの人たちに「この人が言うならそうしようか」と受け入れてもらえるだけの信頼関係を普段から築いておくことも大事になってきます。
マネージャーは一見サポーターのように見られがちですが、実際はチームの「屋台骨」。核となる存在です。マネージャーの調整能力や段取りの組み方、関係者との信頼関係がクリエイティブの進行や、最悪クオリティにまで関わってくることは常に意識しながら動いています。
>>>未知を楽しみ、チームで
ものづくりをすること
頭を悩ませることも多いですが、一方でマネージャーは必ず案件の最初から関わるので、初回ヒアリングや工場見学に行けるのが嬉しいところです。純粋に知らないことを知るのが好きなので、徹底的にヒアリングする一回目の打ち合わせは本当に面白い。工場見学も、業種ごとに全然違っていて、普段見られないプロフェッショナルな部分を見せてもらえるので最高です。見学した後は大概「この会社で働きたい!」って思ってますね。ちなみに、今までで一番面白かった工場見学は西村謄写堂さんです。
それから、アイデアが形になって、様々なやりとりを経て最終形になっていくところを傍で見られるのと、その完成形を一番に目にできるのはやっぱり嬉しい。これもマネージャーの特権ですね。私、基本的にデザインが大好きなんですよ。自分でデザインはできないけど、マネージャーの仕事を通してみんなと一緒にデザインをつくっていると思ってます。マネージャー陣みんな、そう思ってくれていたら嬉しいですね。それがチームで仕事をする醍醐味だと思うので。
今後の野望
>>>組織の基盤をつくっていく
これまでの10年はがむしゃらに働いて成長してきたので、次の10年では場を整えていくことをやっていきたいです。今までモリロウさんや私が個々にやってきたことを、会社としてできるようにしていく。メソッドがあるならそれを渡して、任せていく。今まで行動力で補ってきたところを整理整頓して(苦手ですが…)、会社のルールや仕事の仕方など、これから組織として成長していくための地固めをしていきたいです。